2012年1月14日土曜日

「タイでもっとも有名な日本人?ドラえもん」



イギリス発祥のマダム・タッソ館といえば、世界各国の有名人のろう人形が展示される人気の観光地。ロンドン以外にも7 カ国11 の分館があって、そのうちの一つが2010 12 月バンコクでオープンしたもの。85 体の人形が並んでいるなか、2011 27 日に初めて日本の有名人?が登場、話題を集めています。

「アジアのヒーロー」にも選ばれる

バンコク郊外の市場で見つけました
その方とは、背そして体重とも129.3 センチ/キロで赤いドアから飛び出したように現れるドラえもんです。バンコクのマダム・タッソ館にはオバマ大統領に、マイケル・ジャクソンやベートーベンなどが並び、これまでは日本を代表するろう人形はありませんでした。ドラえもんが初めてでした。

館長さんによると、市場調査をしたところ、ドラえもんの人気がたいへん高く、設置してからもお客さんにとても満足を頂いているとのこと。タイはもちろん、アジア各国ではドラえもんは絶大な人気を未だに保持しています。2002 年には、Time Asia 誌に「アジアのヒーロー」にも選ばれているほどです。25人のアジアン・ヒーローのうち、実在しないのはドラえもんだけですよ。

ドラえもんの登場は1981年に遡る

アンパワーの屋台にも
タイで、ドラえもんが初めて登場したのは1981 年。漫画本として翻訳・出版されましたが、その時の題名は「Doraemon いたずらネコ」。ほぼ同じ時期に別の出版社からも漫画本が出され、そちらは題名を「Doremon」にしていました。当時は著作権問題が厳密にされておらず、どちらも日本の出版社から正式に許可されての出版ではありませんでした。あまりの人気ぶりで当初月間にしていたのが、2 社が競合して次第に一月に冊、そして3 冊、4 冊にしていき、一回につき7 万部もバカ売れしていたそうです。藤子不二雄さんが10 年以上かけて描いたドラえもんがほとんど順番バラバラに出版されていました。その後、大手新聞にも連載がありましたが、題名が「Doramon いたずらネコ」と、それぞれ微妙に変わりました。

今も絶大な人気

プーケット・タウンのナイト・バザールで
タイで少し微妙に違って呼ばれてきた日本のドラえもん。その後、正式に著作権を申請した出版社や放送局がそれぞれ漫画本そしてアニメの放送を始めていて、時々映画もあったり、ビデオもあり、いまでも子供たちに絶大な人気を誇っています。現在の3040代の人たちは多くがドラえもんの放送で育ち、中には日本のことをそんなに知らなくても、どら焼きを知っていたりするほどです。

先日、87 歳のわが父が「父さんはいつまでものび太くんの面倒を見るドラえもんじゃないから!」なんて頼りない55 歳の兄を叱っていたほど、世代を超えてドラえもんはどの年代の人々にも人気なのです。まぁ、あまりの人気のため、偽物のキャラクターが今でも出回っています。ここで使用している写真は、取材旅行でタイ各地を撮影した日本人カメラマン君が撮ったもの。当局も取締りを強化しているのですが、なかなか間に合わないようです。

視聴者に安堵感を与えるドラえもん


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そもそもドラえもんが、なぜそんなに人気なのか?端的に言えば、ドラえもんは日本文化そのものですかね。ドラえもんのポケットに入っているいろんな道具を通じて、多くの人は科学技術で発展してきたアジアで唯一の先進国だった日本に改めて敬意を表すきっかけになりました。また、度重なる問題が発生しても、ドラえもんは悲観的にならず立ち向かい、そして最後は必ず解決できるというストリーそのものも、同じアジア系の読者、視聴者には安堵感を提供しているのが良かったのでしょう。

ちなみに、私はドラえもんを見たのは、日本に留学してきてからでした。ドラえもんの声が大山のぶ代さんの日本語。それに慣れたせいか、タイに帰ってたまにタイ語版を見ると、違和感が先に来てしまい、ストリーになかなか集中できないものです。


バンコクのろう人形になっているドラえもんはしゃべるのかな?今度帰省したらマダム・タッソ館へ行ってみたいですね。

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